あの時を境に
君という生命体を形成していた元素
電子や陽子中性子といった素粒子達は拡散散逸し
君の声や映像はメモリーの中でのみ定着され留まる

それでも僕の脳裏には
君の声
君の笑顔は
確かに残っているから

僕という生命体内で時折
拒否反応を生じさせようとする

神を信じている訳ではないが
僕は祈る

君の存在した証を
失わないように

僕の脳細胞が
君の思い出という残像を
排除してしまわぬように

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