Categories: 随筆

ロボットと付き合う時代

 30年ほど前、NECのPC-9801対応のKAWAI楽器の作ったDTM(Desk Top Music)ソフトのモニターに当選して、雑誌に記事(ソフトの使い心地)を書く代わりに、ソフトとMIDIの機材を戴いたことがあって、その時『このレベルなら十分使える!』って感触を持ってから、打ち込み系の音楽に入って行った。(正直、それまでは、『DTMなんて所詮おもちゃ!』って感覚しか持ってなかった)
 打ち込み系のメリットは『譜面にできるなら演奏できる』ってとこで、自分が作ってる『Vocaloidの部屋』というサイト上にある曲の前奏部分のギターなんかも、
「じゃあ、自分が演奏できるか?」って言えば、
「練習せなー無理!」ってことになる。でも、譜面にしてるから演奏は問題なく聞ける。例えば、ピアノ曲で指が1ダースほど無ければ弾けないような曲を作ったとしても、DTMでは演奏できることになる。(そんな曲をアナログで演奏するとすれば、多分複数の人間が弾く、連弾とかになると思うが…)似たような例で言えば、無茶苦茶早口で歌わなければいけないような曲をボーカロイドに歌わせて、『プロ歌手がこれを歌えるか?』ってことをなんかの企画でやってたような…。
 まだ、アナログの音は捨てがたいのは確かだけど、そんな『アナログ音の中の良い音』をサンプリングして完全に再生できる時代が来たとすれば、演奏者の存在意義は何だろうってことになってしまう。現実に将棋界では、実際プロ棋士がコンピューターの将棋ソフトと対局して負けたりしてるから、ロボットが人間の能力を上回っていくことも、あながち『杞憂』とも言っていられない。
 詩にしても完成度は別にして、自動的に言葉を並べて作ってしまうようなアプリケーションが出現することも、さほど遠い未来ではないはずだ。まあ、中国の絶句や律詩、フランスのソネット、日本では和歌や俳句といった形式のある程度決まったものの方が、アプリとしては先に登場するとは思うが…。

kimihiro

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