「あっ!」
家近くのカーブにさしかかった時、対向してきた自動車が三台ほど連なって行ってた前の車の列の、二台目が通り過ぎようとした時、道の外側に倒れるのが見えた。
(止まらなきゃ。でも…)自分は最後尾の四台目だったが、自分が原因で倒れたと思われるのは嫌だし、見なかったことにするか…。前の三台の車は何事も無かったように通り過ぎて行くし、どの車も直に自転車を引っ掛けて行った訳ではない。
とりあえず一旦家まで帰り着いて、小用を済ませ、
「ちょっと人が、転んだみたいやから、ごはん待ってて。行って来る」やはり気になったので、加害者と間違われるのことも覚悟の上、現場に引き返した。
現場近くの左側にちょっと広めの路側帯があり、車が一台止まっていた。その後ろに車を止めたが、
(暗い…)周りに街灯らしいものは無く、家に帰った時、懐中電灯を持って来れば良かったと後悔したが、
(トランクに入れてあったっけ)暗い中、まさぐってみると、懐中電灯こそ無かったが、トランクルームの灯り(百円ショップで買ったLED)があった。それを持って道を横切り、自転車が倒れたであろう場所に行くと、真っ暗な空き地に自転車とお年寄りが一人横たわっていた。
「大丈夫ですか?」と声を掛けると、
「ああ…。ありがとう」
(良かった。返事があった!)
「いや、前の三台の車の後ろ走ってたんですが、何かよろけて、道脇に倒れたのが見えたんで、引き返して来たんです」僕は彼を起こし、
「お怪我は無いですか?お家は?」といくつかの質問をした。
「大丈夫。ありがとう」様子を見ると、結構酔ってるみたいだったので、
「酔ってますね。前の車が引っ掛けて行ったようにも見えんかったんで、風圧でよろけたんですね」
「うん、酔うちゅう」どうも意識は確かなようだ。僕は落ちていた帽子を彼にかぶせてあげ、自転車を引き上げて道に戻し、
「お家に人は居ますか?電話しましょうか?」と言ったが、家に誰かは居るが、一人で帰れるとのこと。
「じゃあ、こっち側を通って帰った方が良いですよ」と言って、左側に自転車を運んだ。彼によると『ミヤ小学校の近く』とのことだったが、自分はその小学校は聞いたことがない名前で、遠いのか近いのかは分からなかった。後で調べると、どうも『南国市立三和小学校 』のことらしく、そこまではとても歩いては帰れそうにないことが分かったが、
「危ないから*ついて帰った方が良いですよ」の自分の言葉に、
「うん、ついて帰る」と言って彼は歩いて行った。後で思ったが、もし自転車をついて行くなら、右側を行かせるべきだった。まあ、おそらく途中からは自転車に乗って帰られたんだとは思うが…。

* 自転車をついていく → 自転車を押していく という意味の方言

カテゴリー: 日記

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